ビクトレックスジャパン
スポーツ／レジャー用途向けボールベアリングのケージ部品素材としてVICTREX® PEEK™樹脂 の需要開拓

ボールベアリングのケージ部品はベアリング内部のボールを保持する摺動部品で、その設計と使用材料 によってベアリングの性能と信頼性が左右される重要部品である。スポーツ用途の中でも、とりわけ自転車 競技の世界では部品の摩擦性能がレース結果に直結するため、ベアリングには摩擦係数が低く、軽量で、 優れた機械的特性を発揮する材料が求められている。

ビクトレックス社の市場開発部で一般工業分野を担当する前薗宏隆は「VICTREX PEEKは、優れた摺動特性 を示す高機能熱可塑性樹脂として知られ、ベアリングやギヤ素材として自動車や産業機械など幅広い分野で 採用されています。自転車、オートバイ、釣り具やゲーム機などスポーツやレジャー用途においてもボール ベアリングは広く利用されています。海外での成功事例を紹介することで、国内での需要開拓に弾みがつく ことを期待しています。」と話している。

欧州の競技用自転車で高い評価を受けるVICTREX PEEK製ケージ部品

高性能プラスチック部品メーカーの独ROS社はベアリング・ケージ部品の素材にVICTREX PEEKを用いる ことで、高強度と優れた柔軟性を併せ持つベアリング・ケージを実現している。VICTREX PEEKの卓越した 摺動特性によってボールと接触するベアリング・ケージ表面の滑り性が向上し、摩擦の発生を低く抑える ことでベアリング内部の摩耗を最小化することができる。さらに、VICTREX PEEKが低密度な材料であること からケージ部品の慣性を小さくできるためベアリングの回転性能の向上に貢献する。

ROS社のVICTREX PEEK製ベアリング・ケージを使用しているのが、競技用自転車向けベアリングの 大手メーカーであるデンマークのCeramic Speed（セラミックスピード）社である。競技用自転車において、 標準的なベアリングをCeramic Speed社の高性能ベアリングで置き換えることで、自転車競技者は多くの利点 を得ている。例えば、同社のベアリングをタイヤのホイール・ハブに使用した場合、大幅な摩擦低減によって より素早い加速が可能となる。また、自転車のボトムブラケット（ペダルにつながるクランク軸とその回転 を受けるベアリングの一体化部品、略称：BB）に使用した場合、同社のベアリングが軽量で円滑に動作し 強固なであることから、速度、耐用年数や回転性能の向上を図ることができる。

これまで、Ceramic Speed社による高性能ベアリングは、自転車競技の世界に劇的な影響を与えており、 2009年のツール・ド・フランスでは、20チーム中9チームがCeramic Speed社のベアリングを装備した自転車 を使用した。

ROS社のマネージング・ディレクターであるヴェルナー・ビュアラインは「Ceramic Speed社は競技用 自転車の性能向上に大きく貢献します。同社のベアリングは潤滑剤を用いること無く優れた性能を発揮 します。」としており、また「2008年の北京オリンピックは、同社の高性能ベアリングを使用するアスリート 達にとって大きな成功を収めた大会でした。自転車のロードおよびトラック競技やボート競技といった種目 の中から特別に選ばれた50名だけが新しいベアリングを使用できました。そして、同社のベアリングを装備 した選手達は合計17個のメダルを獲得しました。」と話している。

今後ROS社とCeramic Speed社はスポーツ用途以外にも、各種産業分野に向けて用途展開を図る方針である。 またROS社は、大手ベアリング・メーカーと協力し、持続可能なエネルギー用途向けにVICTREX PEEKを用いた 直径3mという世界最大のベアリング・ケージを開発した実績を持つ。

Kunststofftechnik ROS GmbH & Co KGについて：
ドイツに本社を置くROS社は、射出成形および駆動部品のアセンブリを専門とするプラスチック精密加工 メーカーである。同社は、自動車、ベアリング、エレクトロニクス、医療といったハイテク産業において、 高性能コンポーネントとアセンブリの専門家として高く評価されている。

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